ナンセンスですよ!

 長年家庭教師をしていると、親御さんは口を揃えて同じような発言を繰り返します。

1、「先生、できるだけ宿題をだしてください」
 自宅学習しない生徒さんの親御さんがよく口にする依頼です。
少し考えてください。宿題または課題は、学校で十分与えられています。学校の宿題をやらない若しくはできない生徒に家庭教師がたくさん宿題をだしたところで、せっせとやると思いますか?
学校の宿題をやらない、ひいては、自宅学習しないのは、学力がないためどこからどう勉強していいか判らないことがほとんどです。
わたくしは、講義の中で「勉強のやりかた、解答の仕方」を「口移し」で教えた後、自立学習できるようになってから宿題を出すようにしています。そうでないと、ますます学習することに嫌悪感を抱き、成績アップが望めなくなると思いますが、いかがでしょうか?

2、「必ず志望校に入れるのであれば、先生にお願いします」
 投下資本を必ず回収したい、というお気持ちから発せられる言葉だと思います。
家庭教師の受講料がご家庭にとって相当な負担になるのは重々承知しています。その負託に応えるべく、わたくしも受講生合格のために命がけで講義しているつもりです。
しかしながら、試験の合否については、ある時点における合格可能性しか申し上げることはできません。
残念ながら、私に依頼される生徒さんのほとんどは、依頼の時点での合格可能性が5〜20%です。それを受講していただくことにより将来60〜80%に引き上げることができたとしても、「必ず合格します」など口が裂けても言えません。
ちなみに、合格保証する家庭教師は詐欺かもしれませんのでご注意を。

3、「先生、うちの子、○○部が忙しくて全く勉強しないですよ。どうにかしてください」
 部活の練習で帰宅時間が21時近くなる。帰宅して、夕食入浴後就寝の毎日。定期テストでは赤点続きで毎回父兄呼び出し。部活があるので、通塾不能。最終手段として、家庭教師の依頼。
よくあるパターンです。
赤点が続いている現状では、週1回程度の受講では焼け石に水です。それでは、週2〜3回の受講ということになると、21時過ぎから講義することになり、学校の授業と部活で疲れた頭で受講できるはずもありません。
赤点を取り続ければ進学も危ぶまれるので、「部活を辞めて、勉強に励む」以外ありません。
わたくしがこのように申し上げると、ほとんどの親御さんは受講を見送ります。
成績アップには、親御さんと生徒さんの覚悟が必要です。
将来、○○部で生かされた技能で職につくのでなければ、部活を辞めて勉強してください。

 それではまた。